Pocket WiFi 701UCの特徴
目次
海外でも電源ONだけで使える「Pocket WiFi 701UC」
2018年4月24日、Y! Mobileが久しぶりにモバイルwi-fiルーターの新機種を発表しました。
「Pocket WiFi 701UC」と名付けられたこの機種は、国内だけでなく海外でも面倒な手続きなくそのままデータ通信が利用できるように設計されており、ビジネスユースやトラベルユースを想定していることが伺えます。
特徴ですが、大きく以下3つあります。
1、海外利用の際の利便性
これまでのモバイルwifiルーターでは、海外でのデータ通信利用時は別途専用SIMレンタルを行うなど煩雑な手続きが必要でしたが、「Pocket WiFi 701UC」の場合は海外でも電源をONにするだけでデータ通信が利用可能です。
2、大容量バッテリー搭載
5350mAhの大容量バッテリーを搭載しているため、連続通信時間は約18時間、連続待機時間は無線LAN OFFの場合約1,070時間と非常に優れたスペックを誇ります。
3、大画面液晶パネル
モバイルwifiルーターでは異例の4インチ液晶ディスプレイを搭載。まるで旧世代のiPhoneのような外観を持ち、操作性も比較的類似しているため戸惑うことなく設定などを行うことが可能です。
このように、これまでのモバイルwi-fiルーターには見られなかったユニークな特徴を持っています。
今回はその特徴を少し掘り下げ、同時にY! Mobileがサービス開始した海外定額プランもあわせてご説明いたします。
「Pocket WiFi 701UC」が搭載しているクラウドSIMテクノロジーとは?
「Pocket WiFi 701UC」の特徴の中で最もインパクトの強いのは、やはり海外でもそのままデータ通信を利用できるという点でしょう。
ビジネスや旅行で海外に行く際には、これまでであれば現地で利用できるSIMカードを別途購入(orレンタル)手配するなどし、海外ローミングや通信事業者ネットワークなどデータ通信に関する設定を自分の手で行う必要がありました。
しかし、この機種の場合はクラウドSIMテクノロジーを採用しているため、現地のローカル回線を自動で識別してSIMリクエストを送信、端末のVirtualSIMを書き換えることでデータ通信可能な状態にします。
要は、海外に行き現地で電源を入れれば日本国内にいる時と同じようにデータ通信が行えるということ。面倒な手続きなど特に必要なく、国内にいる時と同じようにデータ通信が行えるという画期的な仕組みなのです。
また、利用できる国はアメリカやカナダをはじめ、アジア各国、オセアニア、ヨーロッパなど世界100カ国以上。
よほどマイナーな地域でない限りこの1台で十分といえます。
「Pocket WiFi 701UC」は国内利用も可能だがスペックは平均以下
このように、海外利用において圧倒的なアドバンテージのある「Pocket WiFi 701UC」ですが、モバイルwi-fiルーターとしてのスペックはそれほど高いものではありません。
前述の通りバッテリー容量こそかなりのものですが、データ通信速度は下り最大72Mbps/上り最大37.5Mbps、同時接続可能台数は5台と、最新機種と比べるとやや見劣りしてしまいます。
日本国内でしか利用しないユーザーの場合は他の端末を選択したほうがよいですね。
参考までに主要スペックを同じY! Mobileの「Pocket WiFi 603HW」と比較してみました。
701UC | 603HW | |
サイズ | 126.5mm×65mm×19mm | 109.9mm×65.1mm×15.5mm |
重さ | 240g | 135g |
連続通信時間 | 約18時間 | 約6時間 |
連続待機時間 | 約1070時間 (無線LAN オフ時) |
約850時間 |
バッテリー容量 | 5350mAh | 2400mAh |
ディスプレイサイズ | 約4.0インチワイドVGA タッチスクリーン |
2.4インチ タッチスクリーン |
無線LAN形式 | b/g/n | a/b/g/n/ac |
接続可能台数 | 最大5台 | 最大14台 |
最大通信速度 | 下り72Mbps 上り37.5Mbps |
[FDD-LTE] 下り最大350Mbps※5 / 上り最大37.5Mbps [AXGP+TDD-LTE] 下り最大612Mbps※6 / 上り最大13Mbps |
このように、この2つの端末のスペックには大きな開きがあります。
大きさや重さ、無線LAN形式など実用上で重要視する部分についてだけみると、「Pocket WiFi 701UC」を積極的に選ぶ理由はありません。
つまり、海外に頻繁に出かけるユーザーにフォーカスしたモバイルwi-fiルーターだと言えます。
「Pocket WiFi 701UC」のUCはuCloudlink製を意味する
最新の「Pocket WiFi 701UC」を含め、Y! Mobileのモバイルwi-fiルーターはすべての機種において末尾のアルファベット2文字がメーカー名を表しています。
ZT=ZTE製、HW=Huawei製といった具合に、現在Y! Mobileで発売されているほとんどの機種がこの2社製品です。
「Pocket WiFi 701UC」のUCというのは初めてですが、これはuCloudlinkの頭文字から取っています。
uCloudlink社は2009年に設立された香港の会社であり、北京、上海、東京などアジア各国に拠点を設けています。
世界初となる4GローミングフリーWiFiホットスポット技術を保有しており、この技術を活かしたモバイルwi-fiルーターの企画や開発を行っています。
前述したクラウドSIMテクノロジーがまさにこの会社の保有している技術であり、「Pocket WiFi 701UC」の開発と販売に大きく影響しているといえます。
「Pocket WiFi 701UC」で契約できる海外定額プランも同時発表
さて、「Pocket WiFi 701UC」を海外で利用するにあたっては別途海外でもデータ通信が利用できる通信サービスとの契約が必要となります。
そこでY! Mobileは今回機種発売と合わせて新しい「海外データ定額」プランもリリースしました。
参考:ワイモバイル公式サイト
プランの内容ですが、海外利用時は90円/日を追加で支払うことで特別な手続きなくデータ通信を利用できるというもの。
競合するwimaxはそもそも海外ローミング非対応の製品が多く、この点においてはY! Mobileが有利です。
ただし、海外利用の有無に関わらず月額3,980円の3年契約が基本となります。
またデータ通信量もマックス7GBとなっているため、大量のデータ通信を行うには不向き。
あわせて、国内利用については追加料金を払うことで制限を解除することもできますが、海外利用においては制限解除不可であるため、少し注意が必要です。
ただ、面倒な手続きなく海外でも利用できる料金プランは、海外出張の多いビジネスユーザーにとって非常にありがたい選択肢となるでしょう。
ちなみに、「Pocket WiFi 701UC」で利用可能な料金プランはこの海外データ定額プランのみとなります。他のモバイルwifiルーターのようなデータ通信プランを選択することはできません。
まとめ
「Pocket WiFi 701UC」は海外での利用に特化したモバイルwifiルーターです。適用される料金プランや端末のスペックなどを見ても、国内のみでのデータ通信利用を想定していないことがわかります。
モバイルwifiルーターとしては少し異色ですが、海外利用の多いユーザーにとって非常にありがたい機種であることは間違いありません。
海外も国内もこれ1台で事足りるという利便性は、他機種には真似できないユニークさを持っているため一定の需要はあるでしょう。