UQコミュニケーションズがMassive MIMOの導入を発表

2019年4月24日、WiMAX事業者であるUQコミュニケーションズ株式会社が、大規模イベント施設における混雑時の速度低下対策を目的とした新技術「Massive MIMO」の導入を発表しました。

リリース時点では、横浜市にある横浜スタジアム、都内の東京ドーム、そして大阪市にある京セラドーム大阪の3か所に限定された導入となっていますが、状況を踏まえ導入施設を拡大していくようです。

Massive MIMOの導入により、数万人単位の集客が見込めるイベント会場でもWiMAX 2+モバイルルーターを快適に利用することが可能となります。

ただし、適用されるのはWiMAX2+モバイルルーターだけであり、同じUQコミュニケーションズが提供する「UQモバイル」については対象外です。

そこで今回は、このMassive MIMOとはどのような技術なのか、ポケットWiFiのユーザーにはどのようなメリットがあるのかについてご説明いたします。

Massive MIMOは5G(次世代通信規格)の目玉技術

最初に、Massive MIMO(読み方:まっしぶまいも)の仕組みについて簡単に説明します。

そもそも、「Massive」とは大規模な・大量なという意味を持つ英単語です。
また、MIMOとはMultiple Input Multiple Outputの略であり、複数のアンテナを利用して同一周波数帯で同時通信を行う技術のことです。

わかりやすく言うと、モバイルルーターに複数のアンテナを持たせ、より多くのデータ通信を同時に行えるようにしたもの。つまりMassive MIMOとは「複数のアンテナを使った同時通信を多くの人が一斉に(大規模に)行えるようにした技術」ということになります。

現在、多くのポケットWiFiでは、2×2MIMOや4×4MIMOというテクノロジーが導入され高速データ通信を可能としています。

これは、2×2ならポケットWiFi側2本と基地局側2本のアンテナを使い、2本分のデータ通信を行うことで単純に1本の倍近いデータの送受信が可能となる仕組みです。4×4ならそれぞれ4本なので単純に4倍です(実際はアンテナごとに周波数帯を違えているので単純ではありませんが)。

この技術を応用したのがMassive MIMOです。

具体的には、基地局側のアンテナを1か所に数百~数千単位で集約し、その会場に集まった多くのポケットWiFiユーザーを対象にしたMIMOを可能にしたということになります。
とはいえ、物理的に数百~数千のアンテナを球場施設内に立てることは不可能であるため、アンテナの役割を果たす素子アンテナという小型のものを使用しています。

UQコミュニケーションズによると、既に都心部の混雑エリアにおいては導入しているようですが、このようなイベント施設への導入は初になるそうです。

大規模イベント施設でもストレスなくデータ通信できる!

今回、Massive MIMOが導入されたのは前述の通り横浜スタジアム、東京ドーム、京セラドーム大阪の3か所です。

毎試合数万人の観客が集まるプロ野球が行われる場所であり、大物ミュージシャンのライブや各種イベントも時折行われる会場です。
ただし、ライブ会場では基本的にスマートフォンなどの利用はNGであるため、UQコミュニケーションズが想定しているのはプロ野球の試合と考えてよいでしょう。

UQコミュニケーションズ側も、Massive MIMO導入の目的として「通信が込み合うイベント会場対策」を挙げています。

実際、対戦カードにもよりますがプロ野球の試合が行われる時間は3万人~5万人近くが球場に集まります。そして球場でのスマートフォンやポケットWiFi利用者は思いのほか多く、大手キャリアですらデータ通信の遅延が頻繁に発生しています。

球場でのtwitterやインスタグラムの利用、実況を聞くためのradikoの利用、バーコード支払いアプリの利用などデータ通信を利用する機会は意外と多く、これら関連するアプリ起動がタイムアウトすることもある程です。

今後、Massive MIMO導入施設においては、ポケットWiFiユーザーのデータ遅延が徐々に解消されていくこととなるでしょう。

従って、モバイルルーター経由でスマートフォンを利用しているユーザーにとってのメリットはかなり大きいと思います。

まとめ

ポケットWiFiユーザーにとって、次世代通信技術である5GももちろんですがMassive MIMO導入施設の拡大も関心が高いテーマであることは間違いありません。

ベントなどの混雑時、スマートフォンやタブレットが遅くなってしまうのは仕方ないとあきらめていたユーザーも、今後は快適に利用できるようになってくるのです。
今後さまざまな施設でMassive MIMOが導入されることにより、ポケットWiFiの活用場面がさらに広がりを見せるのは間違いありません。

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h.katsura

h.katsura

福岡出身のフリーライター。就職を機に上京し人材コンサルタントや外資系ITベンチャー企業に勤務。 20年余の東京生活にピリオドを打ち2015年に福岡へUターンしフリーライターとして活動開始。