日本の通信業界を揺るがすファーウェイ問題
5G基地局を含むインフラネットワーク構築に端を発したファーウェイ問題。
年々悪化する米中貿易摩擦の象徴的なターゲットとなっている等の報道もありますが、このファーウェイに関するさまざまな問題は日本においても決して他人事ではありません。
ファーウェイ問題の根本的な原因など詳細についてはこの記事では特に言及しませんが、いずれにせよ日本国内のポケットWiFi業界にも少なからず影響があるのではないかと思われます。
現状、格安スマホを含むスマートフォン市場において、ファーウェイ製スマートフォンの発売中止や延期が相次いでいます。
米大手通販amazonも一時ファーウェイ製スマートフォンの販売を取りやめていました。
※2019年6月11日現在は復活しています
そのため、ファーウェイ問題=スマートフォンと捉えている人も多いのですが、実はWiMAXやY!mobileを含めポケットWiFiの多くもファーウェイ製です。
従って、ファーウェイ問題はポケットWiFi業界にもさまざまな影響を落としているのです。
格安スマホや現行ポケットWiFiの多くはファーウェイ製

■Speed Wi-Fi NEXT W06
実際、現在の国内モバイルデバイス市場においてファーウェイ製品がどの程度流通しているのか、ポケットWiFiを中心に見ていきましょう。
以下の表は現在日本国内の主要キャリアで購入できるファーウェイの製品です。
種別 | キャリア | 製品名 |
モバイルルーター | UQ WiMAX系 | Speed Wi-Fi NEXT W06 |
Speed Wi-Fi NEXT W05 | ||
Speed Wi-Fi NEXT W04 | ||
Speed Wi-Fi NEXT W03 | ||
NTTdocomo | Wi-Fi STATION HW-01L | |
ソフトバンク | Pocket WiFi 601HW | |
Y!mobile | Pocket WiFi 801HW | |
Pocket WiFi 603HW | ||
Pocket WiFi 502HW | ||
Pocket WiFi 506HW | ||
SIMフリー | Mobile WiFi E5577 | |
Mobile WiFi E5383 | ||
ホームルーター | UQ WiMAX系 | Speed Wi-Fi HOME L02 |
Speed Wi-Fi HOME L01/L01s | ||
ソフトバンク | ソフトバンクAir | |
(参考) スマートフォン | SIMフリー | novaシリーズ |
P30シリーズ | ||
P20シリーズ | ||
Mateシリーズ | ||
honor9 |
大手キャリアも含めてほとんどの通信キャリアがファーウェイ製ポケットWiFiを取り扱っているのがわかると思います。
また固定型のホームルーターの売れ筋であるソフトバンクAirやSpeed Wi-Fi HOME L02などもファーウェイ製です。
参考【置くだけWiFiのおすすめ】無制限で安い端末を徹底比較した結果!
NECプラットフォームズやZTEなどファーウェイ以外のメーカーが製造したポケットWiFiもありますが、どちらかと言えば少数派。
メインの売れ筋はほぼファーウェイ製といっても過言ではありません。
参考までにスマートフォンも表に記載していますが、”格安スマホといえばファーウェイ”と言われるほど定着しており、今やファーウェイなしに格安スマホ業界を語ることはできない存在です。
仮に米国主導で「ファーウェイ製品全面取扱停止」などとなった場合、国内のポケットWiFi業界が大打撃を受けるのは間違いないといえます。
ファーウェイ製ポケットWiFiの発売中止はあるのか!?
さて、一部報道等では「ファーウェイ製スマートフォンにはバックドアが仕掛けられており個人情報が筒抜けである」といった記事が見受けられます。
真偽のほどは定かではありませんが、現在起きているファーウェイ製スマートフォンの発売延期などはこの手の情報により消費者が不安になっていることが理由の一つでしょう。
一方のポケットWiFiはというと、ファーウェイ製がほとんどであるにもかかわらずこの手のネガティブな報道はほとんどありません。
スマートフォンと同じくネットに接続できる機器であることに変わりはなく、「情報を抜かれるかも」という不安は共通であるにもかかわらず、です。
これには理由があり、ポケットWiFiの場合、スマートフォンと異なり個人情報を端末に保存しておく機能が無いということが挙げられます。
ポケットWiFi本体にはユーザー情報を保存するような記憶領域は無く、単にデータ通信のゲートウェイとしての役割を果たしているだけです。
また、1台のポケットWiFiに対して同時に複数台の接続ができるため、利用している個人を特定するのが難しいという側面もあります。
とはいえ、ファーウェイ製品そのものに対するネガティブイメージが無いわけではありません。
実際、NTTdocomoなどは次期新製品としてシャープ製のポケットWiFの投入を発表していることからもわかる通り、ファーウェイ製ポケットWiFを敬遠する事業者、もしくはユーザーも今後出てくるでしょう。
既に大手キャリアは5Gインフラにおけるファーウェイ締め出しを明言しています。
参考5G対応ポケットWiFiを実際に利用!おすすめできない理由を徹底解説
その影響がどこまでポケットWiFiなどのコンシューマー製品に影響するかは未知数です。
まとめ
ポケットWiFi業界にとって、ファーウェイ問題による影響は現在のところそれほど大きなくはないように思われます。
しかし、今後主要な事業者がファーウェイ製の新ポケットWiFi発売を延期もしくは中止する可能性が無いとは言い切れません。
ただ、現在ファーウェイ製ポケットWiFiを利用しているユーザーが、ある日突然通信できなくなるといった状況に陥ることはまずありません。
どうしても不安というならば、高額キャッシュバックのあるGMOとくとくBBや契約解除料負担プランのあるBroad WiMAXなどのWiMAXプロバイダを利用してファーウェイ以外のポケットWiFへ乗り換えてみるのも手です。